そもそも吃音って何?

みなさんは吃音という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

吃音(きつおん)とは、言葉が詰まったり、繰り返し同じ音を発音してしまったりと、思い通りに言葉が出てこないことを指します。「どもる」ということですね。

「吃音」という言葉ってあまりテレビでも聞かないですよね。実は悲しいことに、「吃音」、「どもり」という言葉は放送禁止用語になっているそうなので、知らないのも無理はないです。

そこで、この記事では吃音がどういうものなのか、まとめてみました。

吃音には大きく分けて3種類ある

  1. 単語の最初の言葉を繰り返す(連発性)
  2. 単語の最初の言葉を引き延ばす(伸発性)
  3. 単語の最初の言葉が出てこない(難発性)

一個ずつみていきましょう。

1. 単語の最初の言葉を繰り返す(連発性)

例えば、「時計」という単語を言おうとします。でも、「と、と、と、時計」のように、最初の言葉を繰り返し言ってしまうのです。これは、ふざけているわけではなく、本当にこういうふうにしか言葉が発せないときがあるんです。自分の意思でコントロールが難しいというのが吃音の特徴でもあります。

2. 単語の最初の言葉を引き延ばす(伸発性)

「時計」の例でいきましょう。この場合、「とーーーけい」というように、最初の言葉を伸ばしていってしまいます。伸ばさないと次の言葉を発せない感覚です。

3. 単語の最初の言葉が出てこない(難発性)

「時計」の例でいくと、そもそも言葉が発せません。(でも、時間が経つと言えるようになったりします) この3つのうち、これが一番厄介だったりします。なんでかというと、周りからは見えないことが多いからです。自分もこのケースなのでよくわかるんですが、そもそも話さなければぶっちゃけバレないんですよね(本当はよくない)。終いには、言葉を言い換えたりします。例えば、「パソコン」という言葉がでなくなったら「コンピュータ」という言葉で言い換えてみたり。でもここういうことをしてしまうと、自分の本当に言いたいことがなかなか言えなくなってしまって、吃音は悪化するは話しにくいはでつらいです。

吃音の特徴

  • 吃るのは単語の初めだけ
  • 一人のときはほとんど吃らない

吃音は、言葉の初めのことばが出てこないことが大半です。言葉の途中でどもることはほとんどありません。例えば、「時計」という言葉は、最初の文字「と」で吃ることはあっても、「け」と「い」で吃ることはあまりありません。あと、言いにくい単語でも、言える時と言えない時があります。 もうひとつ、吃音は一人でいるときはほとんど吃らないということです。つまり、誰もいない環境で喋るとほぼ吃らないということです。でも、人としゃべるとどもってしまうんですよね。ここが吃音の不思議なところです。

吃音の人が題材となった映画

英国王のスピーチ」が最も有名ですね。吃音に悩まされていたイギリス王ジョージ6世とその言語療法士の物語です。

youtu.be

まとめ

吃音の症状や特徴について書きました。吃音は隠し通しちゃえば他の人に気づかれにくくはなりますが、本人が一番つらいです。もっと多くの人に吃音のことを理解してもらえることを切に願います。

吃音でも言いたいことってあるよね。

突然ですが、難発性の吃音をお持ちの方、こういうことってありませんか?

 

  • 自己紹介で自分の名前が発せないときがある。
  • レストランで自分の発音しやすい言葉のものを注文する。

 

というように、自分の言いたいことが上手く言えなかったり、似た意味の言葉を変えたりしたり。僕も今でもそうするときもあります。

 

他の吃音の人がどうかはわかりませんが、僕は吃音は対人関係にのみ起こると思っています。つまり、ひとりごとでは吃ることはないということです。(Siriはぎりぎりセーフかな?)

 

それで、言葉を言えないのって、もちろん本当に体が硬直してしまって話したいけど話せないっていう状況もあるんですが、そうでない場合もあるのはないでしょうか。

 

  1. 他人に遠慮しているとき。
  2. 苦手な人と話すとき。

 

1番は、他人に遠慮しているときですね。僕がよくやってしまうのは、人が話しているときに話を割って自分が話に混ざってはいけないのではないかと勝手に思ってしまうことです。これに関しては、吃音じゃなくても、コミュニケーションが苦手な人もそうかもしれません。

でも、話に割って入ったからといって、本当にその人は嫌な顔をしますか?大抵の人は、話に入ってきたとしても特に気にしないと思います。むしろ、あんまり話していない人の話を聞きたいという場合もあります。

自分が気にしていることでも、他人って案外気にしないことが多いです。

 

 

2番目は、苦手な人と話す時。僕は特に、意見をストレートにいう人が苦手です。そういう人の前だと、自分が後づさりしてしまう感覚になります。

 

そこで、こういう人を避けます。でもそうすると、また同じような人と不思議と出会うことがあります。これはなぜでしょう。

 

これって僕が考えるかぎり、家族関係に帰着するのではないかと思いました。例えば、父親との関係。父親がストレートにものを言う人であれば、そのお子さんは内気になったりします。そのお子さんは自分の言いたいことが自分のペースで言えず、自分の本当に言えないことが多いです。

 たまには、自分の言いたいことを勇気を出して言ってみましょう。完璧に言葉にしなくてもかまいません。どもって言えなくなってもかまいません。言いたいことがわからなくなったら、「もー、わからない!」と素直に言ってみてもかまいません。自分の言いたいことを素直に言う。これがとっても大事です。(と自分にも言い聞かせる。)

 

といっても、最初から素直に言うのって、とっても難しいですよね。もし素直に言えないのでしたら、まずは今の正直な気持ちを信頼できる人に話してみてはいかがでしょう?

言いたいことがいえない・勇気がでない、ということを他人と話しているだけでも、案外自分の感情や思考が整理されると思います。

 

それで、言いやすい人に、まだ言ったことのないことや思っていることを素直に伝えてみる練習をしてはどうでしょう。その練習を徐々にやっていけば、苦手な人に対してでも、以前よりは言いたいことを言えるようになっていると思います。

 

もちろん、無理に自分の言いたいことを言う必要はありません。でももし、自分が本当に言いたいと思ったら、自分の気持ちに素直になって、それを言ってみましょう!

(もちろん自分の話せるペースで。)

言えば何かが変わるかもしれません。